はじめに


「同時進行で色々な課題解決や作業をおこなう」という意味でひろく使われている「マルチタスク」。ビジネスにおいては「マルチタスク能力」がある人は仕事ができる、時間の有効活用になる(=時短)など「良いこと」のように扱われることが多いです。

電話しながらメールを打ったり、日常生活ではご飯を食べながらスマホでSNSをチェックしたり。

少し前までは「マルチタスク」こそよりおおくの要件をこなし効率が良いとされていました。
しかし近年、マルチタスクが効率が良いという考えが見直されています。さらには逆に効率や生産性が落ちるばかりかストレスが増大し脳が衰えるというのです。

 

 

 

マルチタスク=タスク・スイッチング


まず人間はもともと「マルチタスク」ができないということが近年の研究でわかっています。

 

「なにかをしているときに、べつのこと(タスク)に集中することはできない。なぜなら2つのタスクのあいだで『干渉』が生じるからだ。人にはマルチタスクをこなすことなどできない。『できる』という人がいるとしたら、それはたんなる勘違いだ。脳は勘違いするのが得意である。」マサチューセッツ工科大学 アール・ミラー博士

 

人はなにかの情報を処理する場合、脳の前頭前野という部分を使います。この前頭前野はパソコンのようにいくつもタスクを開くことが出来ず、1つのことしか処理できないのです。

つまり一般的に「マルチタスク」と呼ばれる行為は脳がタスクからタスクへ高速で切りかえている「タスク・スイッチング」であるということです。

 

 

 

 

 

 

マルチタスクで集中力できない脳になる


では「タスク・スイッチング」を高い水準でおこなえば効率や生産性は上がるのでしょうか?

スタンフォード大学はそのような結果を希望していました。

そこでスタンフォード大学は①マルチタスクをおこなうグループ②ひとつずつ作業をこなしていく(=シングルタスク)グループにわけて比較する実験をおこなったところ、思惑は外れ②シングルタスクのグループのほうが効率や生産性が高いことが分かりました。

さらには重度のマルチタスカーとシングルタスクカー、マルチタスクをおこなってもらったところ、マルチタスカーのほうがタスク・スイッチングが下手だという結果も出ています。

「タスク・スイッチングを頻繁におこなっていると、タスクの切り替えが下手になる」ということはつまりマルチタスクを続けると一時的な集中力の低下だけでなく「集中できない脳になる」というのです。

 

 

 

 

 

 

マルチタスクで脳が縮む


みなさんは多くの解決しなければならない課題や問題に直面したとき、身体的ではなく精神的に疲れたことはありませんか?

それは一度に脳が複数の要求に答えようとすることで脳が縮み、機能が著しく低下しているからです。

上記したとおり、脳の前頭前野は1つのことしか考えることができません。

前頭前野に2つのこと、つまりマルチタスクを無理にさせようとすると脳が圧迫されて情報処理能力を低下させる「コチゾール」が分泌されます。

コチゾールは別名ストレスホルモンとよばれ、その名の通り私たちにストレスを生じさせ、脳のニューロン(神経細胞)を委縮させます。すると問題解決、感情・衝動のコントロールする能力が低下してしまうのです。

ストレスでのイライラや暴飲暴食はこのためだとかんがえられます。

さらに一時的にそのような能力が低下だけでなく、過度なストレスを受け続けると前頭前野の灰白質が減少してしまい(≒脳が縮み)、長期的な思考能力の低下を招きます。

 

 

 

 

 

 

脱マルチタスク!坐禅でシングルタスカーになろう


脳に負担のかかるマルチタスクをいますぐやめて、ひとつのことに「一点集中」する「シングルタスク」の習慣を身に付けましょう!

といってもどうやったらいままでのあわただしい「ながら」の毎日から、物事に集中できるようになるのでしょうか?

スマホの通知を消したり、職場で耳栓をしたり、集中力を乱すまわりの環境を変えることも重要ですが、まずは自分を変えてみましょう

そのもっとも簡単で効果が期待できる方法は「坐禅(座禅)」なのです。

以前の<坐禅(座禅)の効果 【ストレス軽減とストレス耐性】>や<坐禅(座禅)の効果 【意志力の向上】>などの記事でも繰り返し紹介してきましたが坐禅(座禅)を継続的に行うと前頭前皮質の領域が大きくなり、集中力や自己コントロールが強化されることが様々な研究でわかっています。

それにより、まわりに気を取られることなく、仕事や家事などの様々なタスクに一点集中できるようになります。

 

 

 

おわりに


プロのアスリートのように、なにかひとつのことに集中でき、自分の持っている力を最大限に発揮し目標を達成できる。

かっこいいし憧れます。ハンマー投げのレジェンド、室伏 広治さんも集中力が極限に高まった状態の「ゾーン」について「心身ともに健康である」ことを前提にしています。

マルチタスクで疲弊した脳、つまりイライラした状態で、集中なんてできるはずがありません。

継続的な「坐禅」で高い集中力を身につけ「今」に一点集中!さぁ、シングルタスクで人生を有意義に過ごしましょう!

 

 

 

 

※本文章は一部「SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる 」デボラ・ザック 著を参考・引用させていただいております。

 

 

 

 

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